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よつばと 9巻 感想

よつばと!  9 (電撃コミックス)よつばと! 9 (電撃コミックス)
(2009/11/27)
あずま きよひこ

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単行本でしか読んでいない似非あずまきよひこ信者です。こんばんは。

さてはて、9巻発売です。
あらかじめ断っておきたいのだけれども、僕はあずまきよひこの漫画が一番好きだしよつばと!は現在唯一買い集めている漫画です。そのため期待値が他の漫画に比べ圧倒的に高いです。
好きだからこそ幾らか辛口かもしれませんが、勘弁してください。


57~60話の不出来

あずまんが大王のリメイク作業があり、いくらか調子が途中崩れているような気がします。
具体的に言えば57話~60話。この4話は、今までのよつばとの中でワーストの出来なんじゃないかなと。
ワーストでも十分な面白さはあるし、腕はいいことは分かるんだけれども、心からは楽しめませんでした。作者も忙しかったのか、あずまんが大王の世界に引っ張られたのかしたんかなあ。
僕に不出来を責める権利は全然ないことは自覚するのだけれど、この4話はつくりの荒さが目立つ。

具体的にどうよくないかというと、大人のキャラが大人げなくなりすぎている。
よつばとの世界の居心地の良さは、とうちゃんをはじめよつばと以外の脇役がそれぞれ違った大人目線で優しく接するところにあるはず。脇役の目線がよつばとの位置まで下がってしまうとその安定感が失われて秩序が崩壊してしまう。
大人が子供目線で暴れるのはあずまんが大王の中なら、何の違和感もなく受け入れられるのだけれども。


61・62話で持ち直したか?

61話の頭でとらこが登場した所で、急に元のよつばとのペースに戻りだすような気がする。
がちゃがちゃせずに、現実的なテンションに戻り再び元の居心地の良い世界へと戻る。
巻末の終わり方の綺麗さは健在。だから雑誌ではなく単行本でこそ読みたくなる。
9巻の私的MVPはとらこですね!日常に見事に戻す役割を果たしている。
ぺんぺんよつばとに叩かれても無反応なシーンと、「みんなが撮っていると撮る気がなくなる」という台詞のシーンが白眉。空回りしていた4話の軌道修正になっている。


よつばとこれから

何巻まで行くのか分からない。
ずっと続いていくのか、それともあっさり終わるのか。
完成度の高い漫画作品は10~15巻で終わるものが多いと個人的には思う。
それ以上の巻数重ねて面白さのピークを維持している漫画はほとんどない。
めぞん一刻とか、寄生獣、稲中卓球部とか。
恐らくひとつの世界観を持続しつつ物語として完結させるにはそれぐらいの長さがベストで限界なんじゃないのだろうか。
ドラゴンボールでいえば、マジュニア倒すのが17巻。
そこから大きな世界観の転換がある。
世界観を変えれば漫画としては継続するけれど、物語の構成としては美しさを失う。

よつばとという作品の世界観の変更は不可能だろうと予想される。そして妥協しない作り方をしていると思うので、もしかしたら終わりはそう遠くないのかもしれない。

一読者として祈ることは、よつばと!がよりよい作品になることだけです。
連載中の最も面白い漫画だと思います。お勧めです!
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エルフェンリート 漫画 感想

エルフェンリート 12 (ヤングジャンプコミックス)エルフェンリート 12 (ヤングジャンプコミックス)
(2005/11/18)
岡本 倫

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一気に全巻通して読みました。約2時間で読了。

面白い。感心した、が、感動はしなかった。
最終兵器彼女や、エヴァンゲリオンのいわゆるセカイ系の系譜にある作品。
美少女(或いは萌え)+グロという珍しい取り合わせの珍品。
割とこってりしていて、好みが激しく分かれる。寿司ねたでいえば、うに。
大人への階段を登り始めた青年が好みそうな食材。

比較される作品として最も妥当なのは、デビルマンだということに異論はない。
デビルマンは、少年漫画+グロという組み合わせだった。
萌えをメインにもってくると副作用があるがゆえに、少年漫画のほうがメインにすえるに相応しい要素であると思う。よって、僕はエルフェンリートよりデビルマンを高く評価する。
萌えの副作用とは何なのか。

ユーザーを主人公と同一視させるために、主人公を極端に無個性で消極的な行動しか取れない退屈な人間にさせてしまうところ。
萌え対象キャラが全てお膳立てして、それを選択するだけの主人公はつまらない。

デビルマンの場合は、悪魔になるのは主人公だけれど、エルフェンリートで悪魔になるのはヒロインだ。
だけれども、それだけ社会が変わったということなのだと思う。
社会はこの30年ほど、どんどん青年に受身になることを要求しているのだろう。
青年の側から、積極的に行動する漫画が売れるようになれば、社会自体も変わっていくのかもしれない。

面白さのピークは中盤。絵がこなれてきて、作者の演出が安定し、ガジェットが魅力的だ。
序盤は絵が安定しなくて、キャラの見分けることが大変でストレスがある。終盤は、絵は綺麗だけれど、作者の心がへたってしまっているとおもう。

セカイ系の行き止まり。袋小路。宿命。
僕は恋愛をメインに物語を展開すべきではないという思いを、エルフェンリートを読んでより強くした。
それは同時にセカイ系の物語への見切りをつけたということと同じかもしれない。

結局僕は常にドストエフスキーという巨人を物語の神の位置においている。
地下室の手記という作品から彼は転向している。
恋愛を物語の中心から意図的に外す物語を作るようになる。
だがそれが同時に、社会や世界の問題点を抉り出す、人間の心の奥底、内臓を容赦なく引きずり出す物語への昇華に繋がっている。
転向前の、ドストエフスキーは割りと萌え小説ぽいところもある。
特に、「虐げられた人々」とか。萌え好きな人には、お勧めできる。

転向後の、ドストエフスキーの物語のやばさ、キャラのやばさは松本人志の極上のコントに似て、非の打ち所がない。笑えると同時に泣ける。ゴヤの後期の絵。人間の心の奥底。感情の限界。魂の深遠。

いずれにせよ、セカイ系を味わうには、エルフェンリート良い作品だと思います。
楽しい学校生活、楽しい昔話という描写がなかったのは優れている。あと作者より、編集者が割りと腕利きなんじゃないかという気がしました。

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憎まれっ子世に憚る? 漫画家の場合

一月以上前になるけれど、臼井儀人さん(クレヨンしんちゃんの作者)が亡くなった。

死亡の動機を詮索する意味はないのだろうが、笑いを追及する人間というのは割りと早死にしやすい傾向がある気がする。有名なところでは桂枝雀、ポール牧うーん、おもったほど出てこないか。

松本人志は、おもろいやつの条件として「ネクラ・貧乏・女好き」をあげているけれど、自殺する理由と考えられるのはネクラの部分だろう。

ネクラであるがゆえに面白いのであれば、笑いを作る過程でどんどん暗くなっていく必要がある。
そしてその暗さに逆に殺される結果が自殺。
非常に間抜けな死に方にも思えるが、笑えない。
死ぬ思いまでして、笑いを追及する事は本末転倒か。

逆にネクラそのものを題材にしたようなジャンル、ホラー等で活躍する漫画家は割りと年をとっても元気だ。
水木しげるや楳図かずおが代表になるだろう。

ギャグ漫画家より、ホラー漫画家のほうが世に憚るのはたぶん事実だろうなあ。
ほかのジャンル、小説家、映画、なんでもそういう傾向はありそーなきがする。

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国連CEDAW委員会、日本にポルノゲーム・漫画・アニメの販売禁止を勧告


国連CEDAW委員会、日本にポルノゲーム・漫画・アニメの販売禁止を勧告



ゲームネタをもう一個、興味深い記事。
トラックバック使ってみた。

内容は長いけど、国連は日本の女性に対する性暴力を扱う創作物(ゲーム、アニメ、漫画)が、現実での性暴力に結びつくということを理由に禁止することが話し合われているというもの。



漠然と思いついたことは3点。
実際問題、創作物が性暴力を助長することになっているか、解消することになっているかが問題だわな。どちらも証明することは相当難しそうだ。更に言えば、性暴力を扱う創作物の中でも、現実の犯罪を減らすものと増やすもの、両方あるかもしれない。
いずれにせよ、中心に語られるべきは現実的な被害に結びつくかどうかだということ。

もう一つは、性暴力に限らず暴力に対しても適用できる問題だということ。
性をとって、暴力をテーマにした二次創作物についても考えることが出来る。創作物が暴力を助長しているのか、解消しているのか。これもまた、影響を実証することはとても難しい。
でも人間は技術が進む恩恵を受けて、確実に暇になっているので、そういった創作物によって暇つぶしをすることは悪いことじゃないようなきがするけどな。1点目同様、現実的に被害を増やすことが証明できるようなら、やめるべきなのだろう。

最後に、男と女どちらが差別を受けているかということ。
これはめちゃくちゃ広範囲に問題がちらばっていて、所得、性、社会的地位、子育て、家事とかいろいろあるんだろうけどさ。
で、俺が前から主張したいなとおもっていたことがあって、日本の平均寿命は女性は1位だけど、男性は既に4位にまで落ち込んでいるということ。これって、どう見ても日本の男性は女性に比べて相対的に悪い環境にあることを示唆するデータだと思う。

とりあえずきょうはこれまで。風邪ぎみだ、調子悪い。

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統合失調症、アスペルガー症候群と鉄コン筋クリート

前回と関係のあるテーマをもう一つ思いついたので書いておく。

鉄コン筋クリートという漫画がある。
暴力を描いた漫画のなかでは屈指の名作で、幻想的で病的で独特のたたずまいがある。
主役は二人居て、シロとクロ。
作品の中で二人は精神病を意識することはないけれども、シロは統合失調症でクロはアスペルガー症候群だ。両方とも精神がかなりおかしい。

kyupinの日記から引用
アスペルガーの創造性と統合失調症の創造性は少し違っているような気がしている。限定された場面での創造性がアスペルガーにはある。もちろん統合失調症にもあるけど、統合失調症の場合、自然にほとばしるというか湧き出てくるような感じだ。つまり発想という意味で統合失調症の方が上回っているのである。

統合失調症のほどばしる、湧き出てくるような創造性は、シロの持つ精神世界の豊穣さそのものだ。草間彌生の作品なんかも、心底僕は好きなんだよなぁ。

鉄コン筋クリートは、統合失調症の豊穣な創造性がアスペルガーの暴力的創造性を凌駕していく物語で、kyupinさんの主張する統合失調症の創造性の優位性みたいなものは、多分正しい。

鉄コン筋クリートは精神の問題について書かれた紛れもない名作。

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プロフィール
好きなもの ゲーム、漫画、音楽、小説、日本、南米、ロシア、戦争、明治維新、戦国時代

夢念

Author:夢念
よつばは、むてきだ。

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