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エルフェンリート 漫画 感想

エルフェンリート 12 (ヤングジャンプコミックス)エルフェンリート 12 (ヤングジャンプコミックス)
(2005/11/18)
岡本 倫

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一気に全巻通して読みました。約2時間で読了。

面白い。感心した、が、感動はしなかった。
最終兵器彼女や、エヴァンゲリオンのいわゆるセカイ系の系譜にある作品。
美少女(或いは萌え)+グロという珍しい取り合わせの珍品。
割とこってりしていて、好みが激しく分かれる。寿司ねたでいえば、うに。
大人への階段を登り始めた青年が好みそうな食材。

比較される作品として最も妥当なのは、デビルマンだということに異論はない。
デビルマンは、少年漫画+グロという組み合わせだった。
萌えをメインにもってくると副作用があるがゆえに、少年漫画のほうがメインにすえるに相応しい要素であると思う。よって、僕はエルフェンリートよりデビルマンを高く評価する。
萌えの副作用とは何なのか。

ユーザーを主人公と同一視させるために、主人公を極端に無個性で消極的な行動しか取れない退屈な人間にさせてしまうところ。
萌え対象キャラが全てお膳立てして、それを選択するだけの主人公はつまらない。

デビルマンの場合は、悪魔になるのは主人公だけれど、エルフェンリートで悪魔になるのはヒロインだ。
だけれども、それだけ社会が変わったということなのだと思う。
社会はこの30年ほど、どんどん青年に受身になることを要求しているのだろう。
青年の側から、積極的に行動する漫画が売れるようになれば、社会自体も変わっていくのかもしれない。

面白さのピークは中盤。絵がこなれてきて、作者の演出が安定し、ガジェットが魅力的だ。
序盤は絵が安定しなくて、キャラの見分けることが大変でストレスがある。終盤は、絵は綺麗だけれど、作者の心がへたってしまっているとおもう。

セカイ系の行き止まり。袋小路。宿命。
僕は恋愛をメインに物語を展開すべきではないという思いを、エルフェンリートを読んでより強くした。
それは同時にセカイ系の物語への見切りをつけたということと同じかもしれない。

結局僕は常にドストエフスキーという巨人を物語の神の位置においている。
地下室の手記という作品から彼は転向している。
恋愛を物語の中心から意図的に外す物語を作るようになる。
だがそれが同時に、社会や世界の問題点を抉り出す、人間の心の奥底、内臓を容赦なく引きずり出す物語への昇華に繋がっている。
転向前の、ドストエフスキーは割りと萌え小説ぽいところもある。
特に、「虐げられた人々」とか。萌え好きな人には、お勧めできる。

転向後の、ドストエフスキーの物語のやばさ、キャラのやばさは松本人志の極上のコントに似て、非の打ち所がない。笑えると同時に泣ける。ゴヤの後期の絵。人間の心の奥底。感情の限界。魂の深遠。

いずれにせよ、セカイ系を味わうには、エルフェンリート良い作品だと思います。
楽しい学校生活、楽しい昔話という描写がなかったのは優れている。あと作者より、編集者が割りと腕利きなんじゃないかという気がしました。

テーマ : 感想
ジャンル : アニメ・コミック

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Author:夢念
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